ペリーの開国要求に騒然となる幕府中枢。幕閣の議論もついに膠着した時、老中・阿部正弘が言った。「江川太郎左衛門を呼び出せ」。英龍ほどこの時を予見し、何をなすべきか飛えていた幕臣はいなかった。一刻の猶予もないなか、あらゆる責務を任された英龍の才気がほとばしる。地元伊豆と民を愛し、デモクラシーを夢見た異能の行政官の一代記。
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